「怒ってないよね?」「まだ好きでいてくれてる?」と、答えをもらったのに、しばらくするとまた聞きたくなる。恋人に何度も確認してしまって不安になる、という悩みは、恋愛の場面でとてもよく聞かれます。この記事では、確認したがり 恋愛という悩みの中身と、なぜ一度の「大丈夫」が長持ちしないのか、確認が続くと相手がどう疲れやすいのか、そして今日からできる工夫を、できるだけ具体的にお話しします。メンヘラ診断の四つのタイプのうち「確認したがり」に当てはまった方は、ぜひ続きを読んでみてください。
確認したがりの行動は、日常のささいなところに出ます
確認したがりは、劇的な行動ではありません。たいていは、もっともらしくて小さな質問の積み重ねです。「今日は怒ってない?」「土曜日はやっぱり行けそう?」「さっき何か変なこと言ったかな」。質問の形をとらないこともあります。過去のやりとりを読み返して優しい一言を探したり、友だちにメッセージを見せて「どう思う?」と聞いたり、既読がついたかどうかを何度も見たりするのも、同じ動きです。
共通しているのは、その人がほしいものです。喧嘩をしたいわけでも、相手をコントロールしたいわけでもなく、「大丈夫だよ」と聞きたいだけです。それは、その関係が大切だからです。メンヘラ診断の「確認したがり」タイプも、まさにそういう人として描かれています。大切だからこそ、「大丈夫」を何度でも聞きたくなる人です。
ここで言葉についても触れておきます。メンヘラという言葉は、日本語版ウィキペディアによると、インターネット掲示板「2ちゃんねる」のメンタルヘルス板(メンヘル板)に集まる人たちを指す言葉として使われ始め、2001年ごろから、心の不調を抱える人が「メンヘラー」「メンヘラ」と呼ばれるようになったとされています。現在は、恋愛で気持ちが重たく見える人を指して、気軽に、しかもしばしば揶揄のニュアンスを込めて使われることが多く、はっきりした定義はありません。もちろん診断名でもありません。恋人に安心をもらいたくなることが、そのままメンヘラだということにはなりませんし、この記事もそのようには扱いません。
一度の「大丈夫」がすぐに効かなくなる理由
このパターンのつらいところは、答えをもらった直後は、たしかに楽になることです。「怒ってないよ」と聞いて、肩の力が抜ける。ところが、その答えが届く範囲は「いま、この質問について」だけです。質問を生み出した不安そのものは変わらないので、次に小さな不確かさが来たとき、不安はまた同じ安心を探しに行きます。
イメージしやすい例えをひとつ。「私たちは大丈夫」という感覚が、相手の返事の中にしまってあるとします。すると、残りが少なくなるたびに補充しなければならず、その補充のタイミングは自分では決められません。返事が遅いというだけの出来事が、「残量ゼロ」に感じられてしまいます。これは弱さや性格の欠陥ではなく、安心の多くが外側から来ているときに、ごく自然に起こることです。
もうひとつ起こりやすいのは、聞いて楽になるたびに、「聞くこと」自体が落ち着くための方法として定着していくことです。安心できた感覚が心地よい分、習慣は強くなり、相手がやさしく答えてくれていても、聞きたい気持ちは大きくなることがあります。相手の言葉を信じられていないのではなく、ひとつの「手順」を繰り返しているだけです。手順は、変えることができます。
確認が続くと、相手が疲れてしまうことがあります
受け取る側から見ると、何度も繰り返される質問は、だんだん質問というより試験のように感じられることがあります。毎回正しい言葉、正しい温度で答えなければいけない、少しでもつまずいたらまた不安にさせてしまう、と身構えてしまうのです。数週間もすると、答えが「うん、大丈夫大丈夫」と流れ作業になります。流れ作業の答えは安心につながりにくく、その結果、また聞きたくなります。
また、相手が「自分の役目は、この人の気分が落ちないようにすること」と感じはじめることもあります。それを黙って背負うのは重いことです。長いあいだ辛抱強く答えたあとで、急にいらだちが出る人もいれば、息をつくために少し距離を置く人もいます。ところが距離を置かれると、不安な側は「いちばん怖かった合図」を受け取ることになり、確認はさらに増えます。
この循環に、悪者はいません。片方は不安で、もう片方は疲れていて、二人とも一生懸命です。二人とも「分かってもらえていない」と感じていることが多いので、それを言葉にするだけでも空気が変わります。不安型の愛着スタイルとの違いが気になる方は、メンヘラと不安型愛着の違いも参考にしてください。
楽になるための四つの小さな工夫
どれも、気持ちを抑えたり、大切に思うことをやめたりする必要はありません。安心をどこからもらうか、どう頼むか、という部分を少し変えるだけです。
一、安心をもらう先を、一人だけにしない
安心の出どころが恋人だけだと、連絡が途切れるたびに非常事態になります。話を聞いてくれる友人、気持ちが落ち着く習慣、自分のものとして打ち込めること。そういう場所をいくつか作っておきましょう。恋人を必要としなくなる、という意味ではありません。気分の重さを、一人の人にすべて預けないようにする、ということです。「今日は恋人が忙しい日だったら、この気持ちを置ける場所はあるかな」と自分に問いかけてみるのが目安になります。
二、返事を待つあいだにすることを、先に決めておく
いちばんつらいのは、待っている時間です。何も決めずに待つと、頭が最悪のシナリオを書きはじめます。落ち着いているときに、待ち方を決めておきましょう。たとえば「二時間返事がなかったら、いったん散歩に出て、そのあとで一度だけ見る」「スマホを別の部屋に置いて、料理をする」。気持ちが消えるわけではありませんが、待つ時間に形ができて、追いメッセージが十通に増えるのを防げます。
三、聞きたいことは、まとめて一度の穏やかな会話で
一週間に十回の確認と、日曜の夜に一度だけ落ち着いてする会話とでは、相手の受け取り方がまったく違います。気になったことはメモにためておいて、二人とも急いでいない時間にまとめて話してみましょう。「今週、頭の中にいくつか引っかかっていることがあって。聞いてもらってもいい? 話したら手放すから」。相手には「終わりのある、はっきりしたお願い」として届きますし、自分にとっても、その場しのぎではなく、きちんとした答えがもらえます。
四、「不安なんだ」を、質問ではなく“自分の気持ちの報告”として伝える
「怒ってないよね?」と「今日はちょっと不安になってる。あなたが何かしたわけじゃないんだけど」を比べてみてください。前者は正解が決まっている問いで、相手を追い込みがちです。後者は、いま何が起きているかを伝えるだけなので、相手はどう助けるかを選べます。「ハグがいい? それとも少し一人がいい?」と聞いてくれるかもしれませんし、ただ「教えてくれてありがとう」と言ってくれるかもしれません。気持ちに名前をつけると、気持ちに振り回されるのではなく、気持ちを説明する側に回れるので、少し小さく感じられることもあります。
受け取る側の恋人へ
同じ質問に何度でも答える義務はありませんし、疲れを感じるのは冷たいことでもありません。無理のない進め方のひとつは、まず一度はあたたかく答え、そのうえで、不安の真っ最中ではなく落ち着いた時間に、パターンそのものについて話すことです。たとえば「大好きだし、力になりたい。ただ、一晩に何度も聞かれると、テストに落ちているような気持ちになってしまう。二人にとってちょうどいい確認のしかたを決められないかな」と伝えてみます。
具体的に決めておくのも助けになります。毎日決まった時間の短い連絡や、二人にだけ通じる「あなたのこと考えてるよ」の合言葉など。緊急のときのやさしさより、予定されたやさしさのほうが効くことは少なくありません。不安が、どんな言葉でも収まらないほど大きそうなときは、関係の外の誰かに相談してみることをそっと提案してもかまいません。それは相手への判定ではなく、提案です。相手側の視点については、メンヘラへの接し方も読んでみてください。
診断の位置づけと、もっと支えが必要なとき
メンヘラ診断は、既読がつかない、デートがキャンセルになった、といった恋愛の場面についての短い質問に答える、無料の自己理解のためのエンターテインメントです。医学的な診断ではなく、パターンに名前をつけるためのものです。結果が「確認したがり」だった場合は、上の四つの工夫を試す出発点として使ってください。結果のラベルの中で生きる必要はありません。
不安が一日の多くを占めている、眠れなくなっている、安全でない・希望がないと感じる、といったときは、誰かに話すよい機会ですし、それは特別なことではありません。厚生労働省のまもろうよ こころには、相談窓口の一覧があり、よりそいホットライン(0120-279-338)や#いのちSOS(0120-061-338)は、無料で24時間つながります。そして、もし関係の中で身の危険を感じるなら、それは「うまく付き合う」ことではなく、助けを求めるべきサインです。