「彼女がメンヘラなのかもしれない」。あるいは逆に、パートナーから「メンヘラだね」と言われて傷ついた。そんなときに、メンヘラ彼女やメンヘラ女という言葉を検索する人がいます。この言葉は、二人とも疲れてしまっている行動パターンをうまく言い当てることもあれば、相手のごく普通の要望を退けるために使われることもあります。この記事では、その両方の可能性を見ながら、言葉の意味、扱うときの注意、「女性はこう」と決めつけずに語れる典型的なパターン、二人それぞれが使える会話例、そして感情の重さではなく支配や恐怖が問題になっているときの考え方をお伝えします。自分の傾向を知りたい方には、メンヘラ診断もあります。無料の自己理解のためのクイズで、診断ではありません。
メンヘラ彼女・メンヘラ女という言葉が指すもの
メンヘラはもともとネットスラングでした。日本語版Wikipediaの「メンヘラ」の項目には、何らかのメンタルヘルスの問題を抱えている人、または抱えていると思われる人を指す俗語だと書かれています。2ちゃんねるのメンタルヘルス板(メンヘル板)の文化から広まり、2001年頃から「メンヘラー」「メンヘラ」と呼ばれるようになったとされます。いまでは一般的な言葉になり、SNSでは「自己肯定感が低く、人に依存して迷惑をかける人」といったニュアンスで使われることも多いと、同じ項目に記されています。
ですから今のメンヘラという言葉には、二つの層があります。一つは、成り立ちにあるメンタルヘルスに関わる意味。もう一つは、日常会話での、気持ちが「重い」と感じる相手へのくだけた、ときに冷たい呼び方です。どちらも診断名ではありません。LINEの内容や反応の仕方だけで、その人が何かの状態にあるかどうかは誰にも分かりませんし、この記事もこの言葉を人格障害のように扱ったり、その人の本質だと決めつけたりはしません。
ラベルが、本当の要望を退けてしまうことがある
たとえば、次のようなごく普通のお願いを考えてみましょう。「忙しいときは、いつ返信できそうか教えてもらえる?」「元カノの話が出たときのこと、ちゃんと話したい」「直前にデートがキャンセルされて、悲しかった」。どれも無理なお願いではありません。ところが、相手が疲れていたり、身構えていたり、どう答えていいか分からなかったりすると、これらを全部まとめて「メンヘラだ」の一言に押し込んでしまうことがあります。
その言葉が出た瞬間、会話の形が変わります。もうキャンセルされたデートの話ではなくなり、彼女個人の話になります。そして彼女は、答えをもらう代わりに、自分の人柄を弁護しなければならなくなります。だからこそ、二つの問いを分けて考えることが大切です。一つ目は、その要望は妥当かどうか。予定を知りたい、仲間外れにされたくない、傷ついたときに真剣に受け止めてほしい、といった願いは、たいてい妥当です。二つ目は、その伝え方が二人にとってうまくいっているかどうか。これは別の問いで、誰かを侮辱しなくても話し合えます。
もしあなたがこの言葉を使いたくなっているパートナーなら、こう自問してみてください。「これを、友達の前で本人に直接言えるだろうか」。言えないなら、行動そのものを描写する言い方に変えます。「一時間に5通くるとプレッシャーを感じる」は、本当のことを伝えていて、話し合えます。「メンヘラだね」からは、何も変えられません。
性別で決めつけずに見る、典型的なパターン
「女性は感情的だから」「女の子はいつも安心させてほしいもの」と言ってしまいたくなるかもしれません。でもこの記事はそう言いません。重い気持ちを性別の特性として扱える確かな根拠を、私は知らないからです。そうした一般化は、言われた人に「自分を見てもらえていない」と感じさせます。ここから先で挙げるのは、行動のパターンです。誰にでも起こりえますし、同じ人が週によって違うパターンを見せることもあります。
何度も安心を確かめたくなる
一度答えをもらっても、少し言い方を変えてまた聞いてしまう。答えが心に残らないからです。多くの場合、相手を大切に思う気持ちが強く、それでもなかなか落ち着けない状態から来ています。なぜ安心がすぐ薄れてしまうのかは、恋愛における安心の確認行動で詳しく書いています。
小さな変化にすぐ気づき、想像が先に走る
返信が少し遅い、口調がいつもと違う、知らない名前が出てきた。そうした変化に素早く気づき、そのあとは想像が隙間を埋めていきます。物語が事実でなくても、傷ついた気持ちは本物です。詳しくはメンヘラの嫉妬をご覧ください。
たくさん尽くして、返ってくるものを静かに数える
料理をする、計画を立てる、覚えておく、合わせる。それが「好き」の伝え方になっている。頑張るほど、返ってくるものの少なさに気づき、何も言わないまま疲れて、あるときまとめて溢れてしまうことがあります。
わざと引いて、相手の出方を見る
急に静かになる、「大丈夫」と言うけれど全然大丈夫ではない、別れをほのめかす。その奥には、愛されている証拠がほしい、そして止めてほしい、という願いがあることが多いです。
これらは、メンヘラ診断にある4つの重さのタイプ、確認したがり、嫉妬アンテナ、尽くし込み、試し行動と重なります。遊び心のある言葉のセットであって、判決ではありませんし、誰かを診断する方法でもありません。
二人それぞれが使える会話の例
自分が「重い」と感じている側なら
気持ちが横から漏れる前に、必要なことを言葉にします。不安なメッセージを3通送るより、「今日はちょっと気持ちがぐらついてるの。今週、私と一緒に楽しみにしてることを一つだけ教えてくれる?」のほうが、相手は受け取りやすいです。
自分に合う安心の形も頼めます。「長い話はいらなくて、私たち大丈夫だよ、って言ってもらえたら十分なの」。そして返せるものも添えます。「今夜忙しかったら、スタンプ一つでいいよ。それ以上は追わないから」。
試している自分に気づいたら、そのまま伝えてみてください。「さっき『どっちでもいい』って言ったけど、本当は気にしてる。本当は、あなたから様子を聞いてほしかったの」。試すより、はっきり伝えるほうが勇気は要りますが、たいていうまくいきます。
パートナーの側なら
行動と、それがどう影響しているかを伝えて、質問します。「返信しないでいると、何通も来て、見張られているように感じちゃうことがあるんだ。そういうとき、どうしてほしいのか知りたい。何があれば楽になる?」
できるときは、先に安心を渡します。「今夜は友達と飲むけど、帰ったら連絡するね」。頼まれてから渡す安心より、自分から渡す安心のほうが、ずっと負担が軽いものです。
限界はラベルなしで、やさしく伝えます。「力になりたいけど、四六時中は連絡できないよ。いつ返信するか、一緒に決めておかない?」。疲れているときは、早めに言いましょう。「最近ちょっと疲れてきているのに気づいたの。大切だから、恨みにはしたくなくて」。
返信が遅れるときの対応を含めた、より詳しい進め方はメンヘラの対処法・接し方にまとめています。
境界線も、誠実な向き合い方の一部
誰かを大切に思うことは、いつでも連絡がつく状態でいることを意味しません。そして、安心が必要だという気持ちは、相手のスマホや友人関係、予定を自由にする権利にはなりません。どちらの向きでも大切な話です。予定を教えてほしいと頼むことと、予定を自分が承認すると要求することは、まったく違います。
また、成人した相手を「直す」責任は、あなたにはありません。やさしく、一貫して、そばにいることはできます。でも、頑張りで誰かを安心させることはできませんし、頑張るほど二人とも消耗することも多いのです。誠実に話し合っても同じパターンが繰り返されるなら、専門のカウンセラーに加わってもらうことや、どちらかが一歩引くことを考えてもいい時期かもしれません。
感情の重さではなく「安全」の問題になるとき
これは、どちらがされる側であっても当てはまります。大きな気持ちや安心を求める気持ちと、支配や恐怖は別のものです。次のようなことがあるなら、性格のクセではありません。
- あなたの意思に反して、スマホやメッセージ、位置情報を見る。パスワードを教えるよう求める。
- 誰と会っていいか、どこへ行っていいかを決める。友人や家族に会うことを責める、または罰する。
- あなたを脅す。暴露すると言う。自分を傷つけると言って、あなたが離れたり自分で決めたりするのを止めようとする。
- 行く手をふさぐ、物を壊す、つかむ、叩く。
- 断ることが怖くなる。
メンヘラという言葉は、逆向きに使われることもあります。支配的なパートナーが、支配されている側を「メンヘラ」と呼んで、その人が相手の行動について感じている不安のほうを問題にしてしまう場合です。パートナーの反応が怖いなら、それは助けを求める理由であって、もっと我慢強くなる理由ではありません。信頼できる人に話し、記録を残し、専門の相談窓口や警察への相談も考えてください。特に、いま危険な状況ならなおさらです。「相談するほど深刻かどうか」を確信する必要はありません。
関係のなかの誰かが自分を傷つけることを口にしたら、真剣に受け止め、専門家や緊急の助けにつなぐよう促してください。それを一人で背負う必要はありませんし、成人した相手の選択について、あなたに責任はありません。
助けを求められる場所があります
どちらかが大きな苦しさを抱えているなら、専門的な支えがあります。厚生労働省が相談窓口の一覧を「まもろうよ こころ」で公開しています。そこに載っている無料・24時間対応の電話は、よりそいホットライン(0120-279-338)と、#いのちSOS(0120-061-338)です。
パートナーではなく、自分自身の傾向を振り返るなら、メンヘラ診断をどうぞ。無料で、数分で終わり、二人で話し始めるやさしいきっかけとして作ってあります。言葉そのものをもっと知りたい方は、メンヘラとは?もあわせてご覧ください。